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レンタカー回送業の闇

転職・就活

冬のバイトや仕事が少ない時期の食い繋ぎの一環としてレンタカー回送業に手を出したことがあります。レンタカー会社の社員だった時期もあるので運転はできますし内情も知っていて良いかなと思って始めましたが散々でした。今回はそん名レンタカー回送業について筆者の経験を書いていきます。求人などを見て初めてみようかなと考えている方にはぜひ一度読んでいただきたい記事です。

※筆者個人の意見です。中には稼いでいる方もいますし、やり方によっては儲かるのかもしれません。

そもそもレンタカー回送業とは

「回送」と聞くとバスの行き先表示に「回送」と書かれているのが思い浮かんでレンタカーの回送とはなんぞやという方もいるかと思うので簡単に解説します。

図のように営業所Aという駐車場も大きな人気の場所があったとして、そこから営業所Bや営業所Cといった他の営業所に翌日以降使用したりする車を移動する行為を「回送」と呼びます。

基本的にはバスやタクシーの回送と同じでお客も乗せないし営業はしないけどメンテナンスや翌日準備のために車を移動する行為を回送と呼びます。

本来は社内業務であり回送を社員やアルバイトが行う会社も多々ありますが、ゴールデンウィークや紅葉シーズン・夏休みシーズンなどといったレンタカーが動き回る繁忙期では社内で回しきれなかったり翌日までに半端なく遠くに届けなければならないということもあるのでレンタカー回送専門の業者があります。代表的なところで言うとセ◯ティやメ◯ウス21です。筆者はメ◯ウス21をやっていました。

業務内容

業務内容はいたってシンプルです。

運転のイメージ

まず、スマホで稼働したい日時と時間を入力します。

そうすると配車から案件が送られてきます。引き取り時間などを入力し現地へ向かいます(費用立替)。

車体をチェックし伝票を作って目的地に走ります(伝票は有料)。

着いたらスマホに入力し次の回送へor帰宅

と言うのが主な流れです。

基本的には指示された場所で指示された車をチェックして目的地へ走るだけです。ウーバーイーツの車版です。

個人事業主契約の闇

Uberも最近問題になりましたしヤマト運輸の問題もあり知っている人も増えてきましたが従業員ではなく個人事業主にやらせるということは闇深い理由があります。そうです!事故やケガなど万が一の場合には全責任を回送員に押し付け業績悪化などの場合は簡単に切り捨てられます。最初の契約時にサインさせられますが、車を傷つけた場合には謝罪に行くための菓子折り代5,000円まで回送員の責任で請求されます。もちろんそれ以外にも回送ごとに保険料という名目で500円〜1,000円程天引きされます。

もちろん従業員ではなく個人事業主なので給与保証もありません。よく言えば走れば走った分金になる。悪く言えば配車のハズレを引けば安月給のクソ仕事となります。

①稼働時間に見合わない給料

先に結果を言うと稼働時間から時給換算すると時給500円を超えることはほぼありません。ひどい時は時給200円代までいきました。都市部(政令指定都市・関東の大都市クラス)では指定地域の単価アップや免許区分による単価アップなどそれらしいことを散々言われますが、微々たるものでほぼ変わりません。

個人的には車の少ない夜間に走りたかったので15時〜翌7時で稼働を入れていました(16時間稼働)。この場合16時少し前頃から移動を開始して大体18時に1台目を引き取り22時頃に目的地の営業所で入れ替えて2台目に乗り継ぎ1時頃にまた入れ替えて3台目といった3台回送がメインでした。

普通車の報酬が1km13円ほどなので100km〜150kmの回送で2,000円いかないくらいです。それを3台やっても純利益で6,000円いきません。3台目を回送する頃には深夜なので納車して帰ることもできず納車先の近くのコンビニで始発時間まで仮眠待機です。始発は地域にもよりますが大体5時頃からなのでそこから帰っても自宅に着く頃には7時を回っています。当然最後の納車先が近くであれば納車後気合いで歩いて帰ることもできますが地方のレンタカー屋は駅から遠い場所も多くそんなことはほとんどできません。

回送業務移動イメージ図

いくら田舎の100kmとはいえ特段指定がない限り高速も使えませんしドラレコチェックが時折入るので法定速度走行が基本です。トイレや休憩を考えると100kmでも2時間以上余裕でかかったりするので意外とコスパが悪いです。

16時間で6,000円だとしても時給は375円です。実際は稼働時間よりも先に移動したり帰りも遅くなることが日常茶飯事なのでこれ以下です。本来であれば最低賃金を下回る契約は違法なのですが、個人事業主に対しては労働基準法が適用されないので「それでも良くて請け負っている。」という形で会社は逃げているのです。

時給300円前後で地獄契約をしてみたい方にはオススメです。

②多額の持ち出し金

引き取りのレンタカー屋さんが自宅から行ける場所ということはほぼあり得ません。大体は公共交通機関による移動が必要です。そのお金は指定ルート分は振り込まれますがもちろん立替です。都心のように電車がいくらでもあるような場所であれば良いですが地方は立替交通費で破産できるんじゃないかというほど払わせられます。筆者は東北ブロックで仕事をしていましたが新幹線や高速バスの移動は日常茶飯事でした。片道3,000円を超えるような立替を平気でやらされます。契約時も1日2万円位の立替費用はあった方がいいよと言われましたが、それが振り込まれるのは10日後くらいです。フルで使えば20万近く建て替えなければいけないということになります。さらにタチが悪いのは総支給額として立替費用+報酬で記載してきます。もちろん家族に送ってもらったりして引き取り交通費を浮かせることは可能ですがそれでも労力やガソリン台はかかります。全てひっくるめて総報酬として高めに見せてきますが本来であれば引き取りに必要な「経費」であり「報酬」ではありません。

回送業務移動イメージ図

先ほどの図を元に解説すると赤点線の部分が増えれば増えるだけ持ち出し金も増えます。終電で駅に着いてそこから移動となるとバスが終わっているのでタクシー移動となり、深夜料金のタクシー引き取り立替なんかを食らうと一度の立替で5,000円以上払うこともあります。

余程暇で口座残高にも余裕があって最悪踏み倒されてもいいような余裕のある方にはオススメの仕事かもしれません。

③文句を言う奴は切り捨てる

Uberなどと違い(Uber自体は噂で聞いた程度でやったことはありませんが)基本的には自分で仕事が選べません。

ドライバーは稼働時間を申請できるだけで時間内は基本的に配車担当の言いなりです。一応稼働資金不足による請負不可や連続稼働による調整交渉などは可能ですが「割に合わないから」や「このルートは行きたくない」という理由で断ると仕事が入らなくなります。そもそもそれ以外にどんな回送があるのかは回送員が知る術はないので本当に言いなりになるしかありません。

また、酷すぎる配車をしておきながら文句を言われると仕事内容を知らせるメーリングリストから削除したり仕事を振らなかったりと露骨な嫌がらせをしてきて自分たちの業務を改善する気もありません。

実際にあったひどい配車

ここからは実際にあった経験談をご紹介します。専業でやっていたわけではないので、専業の方はもっとエグいものもあるかもしれません。

①真冬の引き取りで車がなく再移動

大雪のイメージ

雪国ではいくら積雪対策をしていても公共交通機関は乱れますし、タクシーを呼んでも需要過多できてくれません。

そんな大雪の中日中に店舗引き取りに行ったところ、回送予定の車両を貸し出してしまっていて車がないという状態になり配車に連絡したところ別の営業所まで移動と言われました。タクシー移動可と予算は着きましたが呼んだところでタクシーは来ません。これだと移動できないので請負不可だと連絡しても時間がかかってもいいからやれと連絡が来て結局大雪の中2km以上歩いてバス停まで行き30分近くバスを待って移動しました。雪国を経験したこともないような都会暮らしの配車担当がやっているので仕方ありません。人によっては「請負不可」のメール一本でバックレる人もいるレベルの雪でした。

ちなみにですが雪国で回送業務をしていて他車が落とした氷塊にぶつかってバンパーが損傷したりした場合は100%回送員の責任です。上のイメージ写真のような状態は雪国においては日常茶飯事です。白飛びして見えなくても車を壊せば責任にされます。

②配車課自らルール違反をする

原則として予算の交渉等は仕事を「承認」する前に行わなければなりません。高速利用・タクシー利用・引取ルート変更などは請け負う前に交渉し双方納得の上で「承認」となります。承認後のこちらからの予算交渉は基本的に受け入れられません。にもかかわらず配車課は「承認」し現地に向けて移動を開始し後は車を引き取るだけというタイミングで回送内容を一方的に変更してきます。しかも急に回送が必要なくなったなど荷主都合ではなく配車がこっちの方が都合よく回送できるからという配車都合で意思確認もなく一方的に回送変更を行います。

これが都心の移動手段が豊富な場所ならまだしも、終電も早くになくなり回送する以外に選択肢がないような地方でやってきます。もちろん回送変更に伴う減収があっても保証も何もありません。筆者の場合1本走って5000円で家にも帰れるはずの仕事を2本走って合計3800円で早朝始発待ちというクソ仕事に置き換えられました。

「承認」とは本来は会社が事業主に条件を提示し予算交渉などをした上で事業主が「これでいいですよ。走ります。」という契約を締結した状態になります。それを一方的に交渉もなしに覆すのはそもそも契約違反です。このようなビジネスのマナーも常識もないのがメ◯ウス21です。

最後に

隙間時間や暇な日にパッとできる簡単なアルバイトのように見えますが実際はリスクや時間と報酬が見合わないブラックバイトといったところです。小遣い稼ぎにもならない仕事なためよほど暇な方以外はオススメしません。

個人的にはもう2度と稼働申請をすることはないでしょう。ただ、中には本業にしている方もいるようなので本気で取り組めばもしかしたらこれだけで生計を立てることもできるのかもしれませんが少なくとも家には帰れないでしょう。

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