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【対策必須】夏のアブにご用心

キャンプ・アウトドア

※虫の写真が出ます。苦手な方は閲覧注意です!!※

夏といえば海に山にキャンプやBBQということで夏休みも始まり様々計画を立てている方も多いかと思います。しかし、フィールドには多くの危険も潜んでいます。海や川などの水辺であれば水難事故、山であればクマやイノシシなどの野生動物など上げればキリがありませんが今回はそんな中でも比較的どこにでもいる「アブ」について解説していきます。アブは蚊のように「刺す」と勘違いしている方もいますが実は「噛む」です。そのためやられた際は強烈な痛みを伴います。

現役リバーガイドで様々なフィールドに出向いて川を下ってきた筆者がアブ対策について解説します。

そもそも「アブ」とは

アウトドアをする人であれば一度はキャンプ場などで遭遇したことがある「アブ」ですが、実はフィールドでよく遭遇するアブには数種類います。

ウシアブ

ウシアブ

アブと言われて多くの人がイメージするのがこのウシアブではないでしょうか。夏に家で湧いてくるハエを大きくしたような形をしていて目が緑や個体によっては赤っぽくなっているのが特徴です。

私も専門家ではありませんがあまり同時に複数匹襲ってくる印象はありません。また、そこそこ大きく目立つので手ではらっていればそこまで噛まれる心配はありませんし延々と追いかけてくるしつこさもありません。

四国の吉野川で一度囲まれたことがありますが本当にピンポイントでずっといるという印象はありません。

ただ、見た目が大きく初めて見た時は少々びっくりするかと思います。

アカウシアブ

アカウシアブ

飛んでいる姿をは一見するとスズメバチですがよく見ると違います。スズメバチのようにホバリング的な動きはしません。また、よく見ると色合いもオレンジ×黒とスズメバチよりも若干濃いので慣れれば見分けはつきます。

アカウシアブもウシアブも比較的日本全国で遭遇します。青森でも東京でも四国でも遭遇したことがあります。

アカウシアブはウシアブよりもひとまわり体が大きく結構ずんぐりしています。しかし、ウシアブと違いほぼ単騎で来る印象があります。アカウシアブはウシアブよりも大きく視認性が良いためこちらも手ではらっていればそのうちいなくなる印象があります。

見た目が怖いので嫌な印象を持たれがちですがそこまで数も多くなくあまり嫌な印象は個人的にはありません。ただ、サイズがあるせいか噛まれると本当に痛いです。

イヨシロオビアブ

ちょうど良い写真がなかったのでイヨシロオビアブについてはこちらをご覧ください。

個人的にはこいつが一番タチが悪いと感じています。笑

ほとんどハエと同じサイズで背中にV字の白いラインがあるのが特徴です。

イヨシロオビアブの特徴は集団で襲ってくるという数の暴力と血が吸えるまでついてくるという執着心です。いる地域は限られているような感じはしますが出会った時の絶望感は半端ないです。

私がかつていた川でもイヨシロオビアブの対策で真夏に全身ウエットスーツとロングタイプのブーツを履いてさらに手袋まで着用してとにかく肌を出さないようにと対策に奔走していました。また、ハエ同様小さいので肌についていることに気づかず気づいたら激痛なんてこともあります。

「効果のない」アブ対策と「効果のある」

ここからはネットや巷で言われているアブ対策について個人的に試してみた結果を紹介していきます。

※科学的根拠や学術的根拠はありません。あくまでも実際に試してみた感想です。※

効果ない①「ハッカ油」

ハッカ油イメージ

自然派虫除けの代表例である「ハッカ油」ですが。イヨシロオビアブの強襲の前においてはほぼ無意味でした。ただ、条件としてラフティングなどの川下りをしているのでいくら適宜吹いても水や汗で流れるということはあります。しかしながらハッカ油を吹いた場所に直後アブがやってくるということも日常茶飯事でした。なんならとまっているアブに霧吹きで吹きかけても嫌がりもせず噛もうとしていたので意味がないのだと思います。

こういうことを書くと「濃度が薄いのでは」という人がいますが、毎日アブと闘っていた身からすると赤字覚悟で信じられないくらい濃く作ってもよってきていたので「意味がない」と判断しました。

効果ない②オニヤンマ君

オニヤンマ君

アウトドア用品店などで売っているオニヤンマの模型です。オニヤンマはアブの天敵でありアブを捕食します。そのためアブがオニヤンマを見つけると逃げるということで渓流釣りの方などが多く付けています。

しかし、大量のイヨシロオビアブの前ではこいつも無力でした。ある先輩ガイドがライフジャケットの前後につけてツアーに出てみたものの普通にオニヤンマ君の真横で噛もうとしたりなんならオニヤンマ君にもとまっていたそうで帰ってきて意味ないと言って捨てていました・・・。

それもそのはずでアブがいるような川には当然それを捕食するオニヤンマもいます。本物のオニヤンマがアブを捕食する横で逃げもせず血を吸おうとよってきていました。羽音や動き、フォルムなど一切関係なくとにかくアブは血を吸いにきます。

効果ない③虫の寄ってこない音

YouTubeなどに虫が嫌がる周波数という音楽動画などがありますが試してみましたがなんの意味もありません。なんなら鳴らしているスマホ(アブは熱感知なので暑いものによるようです)に平気でとまります。

効果ない④ラッシュガード

ラッシュガード

それなら肌を出さなければと思いますが全身ラッシュガードで覆っても意味がありません。ラッシュガードやTシャツ程度なら上から噛んできて痛みを感じます。

カヌーやラフティングではパドリングジャケットという雨ガッパのようなものを着用することもありますが、それも生地が薄いと貫通してきます。厳密にはジャケットが水に濡れて直で肌に張り付くと貫通します。私が身をもって実験したところ2.5レイヤー以下では貫通します。3レイヤー以上の記事では大丈夫でした。詳しい方はわかるかと思いますが3レイヤーとはフルドライジャケットにも使用される生地でかなり分厚いです。ホームセンターなどで売っている雨ガッパ程度では汗で濡れて張り付くとほぼ間違いなく貫通してきます。

効果ある①殺虫剤

元も子もない話ですがもっとも効くのが殺虫剤です。

殺虫剤イメージ

殺虫剤には当然ながら殺虫成分が入っているので吹いた物にもしばらくの間は寄り付かなくなります。

懸念点としては当然ながら人体に向けては噴射できないという点です。お子さんの身体についているアブを払おうと殺虫剤をお子さんに向けて噴射する方はいないとは思いますが当然人体にもよくはありません。

また、川の上であまりにも鬱陶し過ぎて使ったことがありますが水につくと油の膜のようなものが水面に浮いてしまいあまり環境にも良くなそさうなので使用は極力控えています。しかし、キャンプ場などでしつこい1匹がいるなどピンポイントでの使用であれば効果を発揮するでしょう。

効果ある②重ね着や厚着

ラッシュガード単品では意味がないと書きましたが、その上にTシャツやカッパなどを着用すると効果はあります。結局のところ薄いものが肌に張り付いていると貫通するので重ね着をしたりして間に空気の層を作ったりウェットスーツのような厚い素材は貫通できません。

Tシャツ×ショートパンツにインナーとして長袖ラッシュガード×レギンスという組み合わせはそこまでアブが多くない地域であればブヨや蚊、草花の擦れ対策にもなるので非常に有効な格好と言えるでしょう。

まとめ

結局のところ私がいた川では真夏に全身ウェットスーツを着てブーツで足首を隠し手袋をはめてツアーをしていましたがそれでも隙間から噛まれたり出ている顔面を噛まれたりしていました。人によっては腫れ上がったり数日間痒みに悩まされるので対策しておきたいことの一つです。

現代では夏に行く予定の場所に虫で検索すると情報が出てくるので調べてから行くのが無難でしょう。

特に渓流釣りや川遊びなど綺麗な水辺で多くの目撃情報がありますのでそのようなところに出かける予定のある方は一度調べてから行ったほうが良いでしょう。

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